今日食べたアイスの話

今日食べたアイスの話

退院のしおり スケジュール編

記憶にある限りでは6年前の2013年9月から卵巣嚢腫を患っていて、それも日に日に大きくなる一方なので、
切除しましょうというお話になったのが、今年の4月。

(思い切って病院を受診したまでの心境は投稿テスト 一日目、信頼できるドクターに出会えた経緯は投稿テスト 三日目にあるので省略。)

半年待ちもあり得ると驚かされながらも、どうにか手術の予約を取り付けたのが、5月。

術前検査(手術日から四週間前以内)が、6月。
この日は家族に一緒に行ってもらい、説明を受けたその場で同意書を作成したため、入院時には印鑑が必要なかったようです。

そして、7月に手術。
限度額適用認定証は一ヶ月ごとの上限金額なので、月をまたぐと費用が増えるから、絶対に月末に入院するのだけは避けたくて、「月初めか中旬でお願いします」とわがままを言ったのが通った形ですね。
一つ前の記事でも書きましたが、六泊七日の入院でした。

「病気:おそいがなおる」。
これは今年の初詣に地元の神社で引かせていただいたおみくじなんですが、当たったことになるんでしょうか。

それでは、憶えている範囲で、入院中にあったことを時系列で語ってみようかと思います。
あくまでわたくしが入院した病院ではこうだったというだけで、よそさまには参考にならないかもしれませんが、
こういう病院もあるという世間話程度に、ご承知おきください。

入院一日目(手術前日)

13:00 入院受付
一番大きい受付で、診察券・保険証・限度額適用認定証を出して手続きし、あなたは○○階ですよと教えてもらい、
病棟へ上がって、○○階のナースステーションで、入ることになる病室を教えてもらうという流れでした。
この日も家族に付き添ってもらっていて、家族のほうはナースステーションで面会に来るときのカード記入などの説明をされていました。

血圧、身長体重を測定。

バーコードと氏名と部屋番号が印刷された、紙のリストバンドを利き手に巻かれます。
紙製ですがとても丈夫で、入院中の一週間はずっとつけっぱなしで、巻いたままシャワーも何度も入ってましたが、一切破れる様子はありませんでしたよ! すごい!

パジャマに着替えて、荷物をベッド横の戸棚に押し込む作業。

その後、病棟を案内していただきました。(シャワー室の使い方とか、トイレとか、診察室の場所とか。)

採血と検温。

血栓予防のための着圧ソックスと言うんでしょうかね、弾性ストッキングを手術中から穿くので、そのサイズ選びのために、ふくらはぎの太さを測定します。
下半身デブだけど、Mサイズで大丈夫そう。

それから下の毛を剃ります。
予想通り安全カミソリではなく、医療用クリッパーで短く刈られるようです。
処理することは術前検査の後の説明でも予告されていたので、
入院の一週間ほど前に除毛クリームでつるつるにしておいたら(手術直前に知らない薬品を使われるのを麻酔科医は嫌がるかもしれないと思ったので日にちを開けています)
一週間で2~3mm程度に伸びていて、それを見せたら、「このくらいで充分です。手間を省いていただきありがとうございます」と、嫌味なんだか何なんだかよくわからないことを言われました。

明日の手術の開始時間をここで初めて教えてもらいました。
なんと朝イチ。
食事は24時まで。それ以降は絶食。水だけなら翌朝6時まではOK。

退院に向けて頑張りましょうって感じの指導をされて、これは署名だけでハンコはなし。
この辺りまでに、麻酔科のドクターや病棟の看護師さんなど担当についてくださる方々が挨拶に来てくださいました。

特にすることもなくなってしまったので、家族は帰ることになり、エレベーターまで送りがてら自販機の場所を確認に行きます。
自販機でミネラルウォーターを1本買ってくれました。小銭くらい自分でも持ってるけど。

下剤を処方されて、夕食後に飲むように言われます。
マグコロールP 50gと、プルゼニド2錠。
だいぶ本気だな……。
もともと便秘がひどくて大概の下剤は経験済みですが、マグネシウム系とセンノシド系を同時に飲むのは初めてでした。
なるほどその手があるのか。今後どうしても困ったら試そう。

夕食前に主治医が顔を見に来てくださいました。
今日は外来に出ていらしたはずなのにお疲れさまでございます。ありがとうございます。

18:00 夕食
早いな!?
今日は通常食なので、あまり病人らしくはないです。むしろだいぶ塩辛かった。あと量が多い。
マグコロールPは白い粉で、水200mLに溶かして飲むんですが、食事についてきたスプーンを見てこれで混ぜようとひらめいたので、なんだかほとんど食事の一環みたいに飲んでしまいました。ちょっぴりグレープフルーツ味。

19:00 シャワー
シャワーは30分交代制で、事前に予約札を取っておくこともできます。
入るときに自分の直後の予約の人がいない(19:30の札が残っている)ことを確認して、ギリギリまで大丈夫と思ったけど、
髪が長い人間は、シャワー自体より、体を拭いてパジャマを着るまでが長くなってしまうということを忘れていて、ラスト10分でめちゃめちゃ焦ることになりました。
このときほど髪を切ってくればよかったと思ったのは、生まれて初めて。
しかも、2分前くらいでどうにか頭にタオルを巻きつけて出たとき、19:30の札がなくなってたんですよね。
ギリギリまでなんて思ってはいけない。次の人と鉢合わせるか待たせるかしてしまうところでした。

21:00 消灯
……トイレ行ってないけど大丈夫かな? 下剤効いてるかな? という不安が頭をよぎる。

1:20 1回目トイレ。遅い。

1:50 2回目。1回目で固形物はほとんど出てしまって2回目からはほぼ水分。

2:10 3回目。水分不足になりそう。
失敗した。朝6時以降は水も飲んじゃだめなのに。ミネラルウォーター余分に買っとくんだった。こんな時間に自販機は行きにくい。

2:30 4回目。

3:40 5回目。まだぐるぐる言っててあと何回か行くことがありそう。寝られん。

4:10 6回目。

5:00 7回目。間隔がわからんな。ほんとに寝られない。

5:30 8回目。だいぶ色は薄くなってきた。

この後は寝落ちたらしく、メモが残っていないのですが、
朝の8時に付き添いの家族が来てくれてからも、2回トイレへ行きました。
マグコロールめっちゃ効くね!!

入院二日目(手術当日)

7:00くらいに朝食があったようだけど、夜中じゅうトイレに行っていて眠かったのと、自分はどうせ朝食抜きなので起こされることもなく爆睡。

8:00 家族が到着。

8:30 看護師さんが来て、家族(というより同意書にサインした人かな?)が揃っていることを確認されます。

9時から手術の予定だったので、そろそろ行きますかという流れになり、弾性ストッキングを穿きます。
病棟へ帰ってくるとき着せてもらう予定のネグリジェを渡します。
貴重品を引き出しにしまって、出発。

ちなみに、患者本人は手術室直行の専用エレベーターで降りましたが、
付き添いの家族は、普段使いのエレベーターで降りて、手術室前のナースステーションで声をかけるなどしたらしいです。
院内PHSを渡すのでそれを持って待機するようにと言われていましたね。
手術時間は約1時間の予定。

手術室の扉の前(テレビドラマで見るような恋人がハラハラしている側の扉ではなく、スタッフが入ってくる側のピカピカの業務用冷蔵庫みたいな自動ドアのほうですよ、念のため)で、
血圧と体温の測定。
氏名を言って、同意書の内容の再確認をされます。

これ、認知症の入ったお年寄りや、ちょっと話がよくわかっていないタイプの患者さんだったらどうするんだろう。
勝手にいろいろ不安になるやり取りでした。
本やブログを読んで大体わかったつもりになっていたわたくしでさえ、「切るところはどこですか」と訊かれて、うっかり「真ん中です」と答えてしまったからなぁ。
開腹手術としてまずメスを入れるところはへそ下(体の真ん中)で合ってるんだけど、
このとき訊かれていたのは切除部位で、「右卵巣及び右卵管」が正解。
わからんよ! 言い方紛らわしい!

パジャマを脱いで、手術台に横になります。全裸だけどタオルをかけてくれます。
心電図とか、パルスオキシメーター(指先で酸素濃度を測定するやつ)とか、バイタルまわりいろいろ取り付けられます。

酸素を嗅がされながら、点滴を入れます。
この点滴が手の甲で、めちゃめちゃ痛かった。
痛みで固まってたら看護師さんたちがさすってくれたけど、ここからぷっつり記憶がないので、点滴が麻酔だった!!??
てっきり酸素マスクみたいなやつが麻酔だと思ってた! 違った! 恥ずかしい!!

目が覚めたら11:10でした。2時間も経ってるじゃん……。
ちなみに時刻がわかったのは壁に時計があったからで、手術室にはそんなアナログ時計はなかったので、このときすでに手術室は出ていたはず。
あとで家族に聞いたら、手術は予定通り1時間ほどで済んで、10:30頃には術後説明も終わっていたらしい。
寝すぎ。

ネグリジェを着せてもらって、昨日から泊まっている病室のベッドに戻ったのが、その5分後くらい。
脚には弾性ストッキングの上からマッサージ器みたいなものを取り付けられている様子。
ときどき動いて揉まれます。
これは血栓予防だったはず。エコノミー症候群とかね。

「いやしかし痛い。術後ってもっとぼんやり鈍いんだと思ってた。傷も痛いし腰も痛いし、喉痛いけど喋れるし、肩こりもしんどい。肩まわりにずっと力が入っていた感じで、だる重い。」
と、12:01のメモに書いてます。
案外元気だなぁ。

点滴に痛み止めのPCAポンプが繋がっていて、痛かったら好きに押していいらしいです。
これは知ってたんですよ。実は。そもそもの発端になったTwitter漫画にも出てきていました。
オピオイドは吐き気が出やすいと、どこか医療系のサイトで読みましたね。
「産科・婦人科の手術看護パーフェクトマニュアル」にも確か、女性は術後の疼痛管理に用いる麻酔薬で嘔気を起こしやすいとか書いてあった気がします。
(しょうもないことばかり憶えている。)

でも押す。知ってても押す。痛いから。

本当は、最初はちょっと我慢してました。
でも、1~2時間おき(?)にバイタルのチェックに来てくださる方々が口々に「押してないね」とおっしゃるので(おそらく使用量を記録されている)、ぽつぽつ押すことにしてみました。
効きますね。
あまり入ってくる感触はないんですけど。
痛みはだいぶ遠くなったので効いているんでしょう。

ちなみに、これの副作用のせいかはわからないけど、翌日、ベッドで吐いて大惨事になりました。

入院三日目(手術翌日)

わたくしは基本が引きこもり傾向なので、スマホがあればベッドの上だけでも全然気にしないし、
むしろ普段から、休みの日は一日中ベッドの上かパソコンの前なので、
動けないことは全然ストレスにはならないのですが。

どうせ今日も朝食抜きなので、起こされずに爆睡。
全身麻酔の後だからなのか、体力が落ちているのかはわかりませんが、手術の後の2~3日くらいはとにかくねむくてねむくて、
スマホでゲームなどしていても途中で寝落ちてしまって、気づけば一時間くらい経っていたりしました。

術後丸一日くらいは1~2時間に一度くらい(すぐ寝てしまうので間隔を憶えていられない)、血圧と体温、傷口の様子と不正出血の有無、尿量と麻酔の使用量をチェックされていて、そのたびにうっすら覚醒するのですが、体温計を渡したらまた寝てしまうという、自堕落っぷり。

実は看護師さんたちが来てくださるたびに、寝返りくらいは打っておけと再三言われていたんですけどね。

しかし、ついに、起き上がれそうなら起き上がってみろと言われて、仕方なく起きることに。
吐き気がものすごい。
アルコールに酔っても吐けないタイプなんですが、全力でえずきました。何年ぶりだろう。
まだ胃が空っぽだったから何も出なくてよかった。
ふらふらだし、体を縦にしたことでめちゃめちゃ体力落ちてる自覚を新たにしたけど、何とか点滴のポールを引いてうがいへ。
手術翌日にこれだけ歩ければすごいよ、と褒めてもらいました。
さらに、もう歩けるならカテーテルも抜こうか、と脅されます。
いやもうちょっと。ねむいので。麻酔から覚めてからとにかくねむいので。うっかりおねしょをやらかしそう。
と逃げを打ちました。

12:00 昼食
手術後初めての食事。
五分粥。味がしない。お湯とお米。おいしくない。
離乳食かもしれないと思ったくらい丁寧なマッシュポテトがついていました。

ベッドの上でごろごろ寝返りを打ってスマホでゲームをしているだけなら元気なので、
朝は体を縦にしただけでえずいたけど、
昼までに気分は少し回復していて、案外食べられるかもしれないと思えたんですよね。

やってみたら、無理でした。
やっぱり体を縦に起こすと、息切れがするし、吐き気がやばい。それに動悸が激しくて、しゃんと座っていられない。
そもそもわたくし、元気なときでもお米とお芋は嫌いだった。
一口ずつ舐めて、ギブアップ。

ほぼ食べてないけど、点滴はまだ入っているので、喉が渇いたりもしない。便利ですね。

体を拭いてあげますよーと看護師さんが来てくださって、結局また、起き上がれるなら起きようと言われまくります。
ゆっくりなら少しだけマシだと、この3回目でやっと学習しました。普段通りに起き上がろうとしすぎだと言われました。なるほど。
点滴をおともにトイレへ行ってみました。できるじゃんとばかりにカテーテルを抜かれました。

18:00 夕食
五分粥。離乳食みたいなすりおろしのレンコン。リンゴジュース付き。

ジュースならいけると思ったんですが、たった2日で胃が小さくなっていたようで、200mLの紙パックジュースでさえ完飲できませんでした。

半分ほど飲んで、ちゃぽちゃぽ言う胃を抑えながら、吐き気をこらえてベッドに戻ります。
横になったほうが調子がいいことはすでに知っていたので、こらえられると思ったんですが、
だめでした。
間欠泉みたいに噴き上げて、ベッドの上が大惨事。
髪からパジャマからリンゴジュースまみれ。

どうしようもなくて、ナースコールで助けを呼びました。その節は大変ご迷惑をおかけしました。🙇
とにかく横になっている分には元気だけど、体を縦にしたときは要注意なのだと、この一日でようく学びました。

入院四日目(手術から二日後)

7:00 朝食
ここまでの三食が五分粥
前日の失敗が尾を引いていて、朝食に手をつける気がしないんですよね。洗ってもらったけどリンゴジュース臭い気がするし。
食べ物のにおいが全然だめで、お茶も飲める気がしません。

吐いたときのパジャマをどうするか困って、家族にダメ元でメールを送ったら、汚れ物を引き取りに来てくれて、ヨーグルトやゼリー飲料を差し入れてくれました。
ヨーグルトは好きだけど、今はそれより縦になる自信がないな。

持ち物編で、パジャマとネグリジェの項目に「もう一つ欲しかった」と書いていますが、このことです。
吐いたり出血したり、汚す可能性を考えて、予備を持っておくべきだったんですよね。
テレビカードと洗剤を持っていれば洗濯機の使用が可能だったのですが、
一週間だけだし、毎日シャワーが使えるわけでもないし、冷暖房完備だから汗もそれほどかかないし、毎日着替えないだろうと高をくくって、洗剤は持ってこなかったんです。
家族は汚れ物を引き取りにきてくれて、家で洗濯してくれましたが、この次に病室へ来たのは退院時の付き添いで、つまりこの後の数日はパジャマ2枚で過ごすことになってしまいました。

12:00 昼食
昼食は完全に寝ていて、食べ逃しました。
この日の昼食から、五分粥から全粥に昇格するはずだったのに。

食べなかったどころか起きなかったことが午後、体を拭く手伝いに来てくれた看護師さんたちにバレて、
ちゃんと食べて排便しないと退院させられないぞと脅されます。
よく脅されてるなぁ。わたくし嫌われてるのでは。

下剤が処方されて、夕食後に飲むように言われました。
今度はラキソベロン
液体のピコスルファートは興味はあったけど、これはマツキヨにも錠剤しか売っていないので、初めての経験。

わたくしはお薬が好きなので、新しいお薬や初めてのお薬を自分の体で試すのも大好きなのです。

現金なもので、ゆっくりゆっくりと言い聞かせながら家族が置いていってくれたヨーグルトとゼリーを流し込み、いそいそと初めての薬を開ける。(夕食後って言われたのにね?)

18:00 夕食
全粥。やっぱりお湯とお米の味。
わたくし、コントレックスが好きで、軟水をまずいと感じる味覚の持ち主のため、お湯とお米の味しかしないものは食べられないんですよね。(お湯が軟水の味だから。)
味噌汁など、お湯自体に味がついていれば気にならないんですが……。
おかずはおひたしなど固形だったので、そこだけちょちょっとつまみます。

21:00 消灯

22:00頃、2回ほどトイレへ。なかなか効くなぁ。

入院五日目(手術から三日後)

7:00 朝食
ここまでの三食が全粥。
五分粥だったときはおかずもすりおろし離乳食だったけど、
全粥になってからは、おかずには歯ごたえがあるので、そこはマシで、助かっていました。
そういえば、どろどろのものも苦手だったんですね。うっかり忘れていました。

偏食で小食で、そもそも一日一食コーヒーだけ、とかいう生活をしてきた人間が入院すると、食事の後で必ず看護師さんに叱られたり脅されたりします。
いっかな厚顔無恥でも、子ども時代以来こんなに敵だらけだと、なかなかしんどいです。

ガスも便も出たし、お粥もこれで終わりだし、さあいつでも退院してやるぞという気持ちでいたのですが、
残念ながら今日は主治医がお休みの日でした。
明日に内診の予約、明後日に採血の予約が入っていると、看護師さんたちがいつも押して歩いているノートパソコンで見てもらって、
なんだ、明後日まで退院できないのか、とがっかりします。

ともかく、内診の予約があるということは主治医に会えるということで、明日の内診で問題がなければその場で退院の話ができるし、
元気ならもうシャワーへ行ってもいいし、その辺を歩き回ってみるように言われます。

手術後、初のシャワーですね。
未だにリンゴジュース臭い気がしていたので、これには純粋に喜びました。

巨大なお腹がぺったんこになった弊害で、体がうまくバランスを思い出せないのか、
なんだかものすごい猫背のおばあさんみたいに前かがみになって歩くようになってしまって、そこは退院までにちょっとでも改善したいところでしたが、
歩く練習はぼちぼち頑張るとして、ひとまずシャワーです。

Photo by (c)Tomo.Yun